アミノ酸・タンパク質 A 強いエビデンス

プロテイン(ホエイ・カゼイン・ソイ)

Protein (Whey, Casein, Soy)

最終更新: 参考文献: 12件

📋 クイックサマリー

ひとことで
筋肥大とリカバリーのマスターピース。すべてのトレーニーの土台。
おすすめ度
推奨用量
1回につき20〜40g(体重や目的に応じて)
タイミング
トレーニング後なるべく早く、または間食・就寝前
主な効果
筋肥大 筋力向上 リカバリー促進 ダイエット時の筋肉維持
注意点
  • lactose(乳糖)不耐症の方はWPIやソイを推奨
  • 過剰摂取は腸内環境の悪化を招く可能性

📊 エビデンスマトリクス

科学的根拠の強さと効果の大きさをまとめた表です。評価基準について詳しく見る

筋肥大・筋肉量増加

A 強いエビデンス
効果量
研究数 150件
適切なレジスタンストレーニングと組み合わせた場合、プラセボと比較して有意な筋肉量増加をもたらす。

筋力向上

A 強いエビデンス
効果量
研究数 120件
筋肉量増加に伴い、最大挙上重量(1RM)の向上が認められる。

疲労回復(リカバリー)

B 中程度のエビデンス
効果量 小〜中
研究数 80件
運動後の筋膜損傷の修復を促進し、遅発性筋肉痛(DOMS)を軽減する可能性がある。

概要

プロテインパウダーは、食事から十分なタンパク質を摂取するのが難しい場合に、手軽かつ効率的にタンパク質を補給するためのサプリメントです。 フィットネスにおいて最も研究が進んでおり、その効果と安全性には**最高レベルのエビデンス(A)**が付与されています。

牛乳を原料とするホエイ(吸収が早い)とカゼイン(吸収が緩やか)、大豆を原料とするソイ(植物性)が代表的です。

作用メカニズム

筋肉は常に「合成」と「分解」を繰り返しています。筋肥大を起こすには、**筋タンパク質の合成(MPS: Muscle Protein Synthesis)**が分解を上回る必要があります。

トレーニングを行うと筋肉は損傷し、MPSのスイッチが入りますが、この時に材料となるアミノ酸(特にロイシン)血中に十分存在しないと、筋肉は合成されません。 ホエイプロテインはロイシンを豊富に含み、摂取後速やかに血中アミノ酸濃度を高めるため、MPSを強力に刺激します。

エビデンスの詳細

筋肥大と筋力向上に対する効果

多数の研究を統合したメタアナリシス(Morton et al., 2018)において、レジスタンストレーニングにタンパク質補給を追加することで、除脂肪体重(筋肉量)と最大筋力(1RM)が有意に増加することが確認されています。 ただし、**「すでに食事から十分なタンパク質(体重1kgあたり1.6g以上)を摂取している人に対する追加のプロテイン摂取」**は、さらなる筋肥大をもたらさないことも示されています。

ダイエット中の筋肉減少抑制

カロリー制限下(ダイエット中)では、筋肉のも分解されやすくなります。高タンパク質食(体重1kgあたり2.0〜2.4g程度)を維持することで、脂肪をより多く落としつつ筋肉量を維持・微増させることが可能です(Hector et al., 2018)。

用量・タイミング

  • 推奨用量: 1回あたり 20g〜40g の良質なタンパク質。
  • 1日の総量: 目標によりますが、筋肥大を目指す場合は 体重1kgあたり 1.6g〜2.2g が推奨範囲です。
  • タイミング:
    • トレーニング後: 吸収の早いホエイプロテインが最適。トレーニング後24時間は筋肉の合成感度が高まっているため、「ゴールデンタイム(直後30分)」に固執しすぎる必要はありませんが、なるべく早めの摂取が推奨されます。
    • 就寝前: 吸収が緩やかなカゼインやソイプロテインが適しています。睡眠中の血中アミノ酸濃度を維持し、カタボリック(筋肉の分解)を防ぎます。

安全性・副作用

非常に安全です。一般的に健康な人が高タンパク質食(体重1kgあたり3g以上)を長期的に摂取しても、腎臓や肝臓の機能に悪影響を及ぼさないことが確認されています(Antonio et al., 2016)。

  • 乳糖不耐症: 牛乳でお腹を下しやすい人は、乳糖が除去された**WPI(ホエイプロテインアイソレート)**や、ソイプロテインを選択してください。
  • 腸内環境: タンパク質ばかり偏食すると悪玉菌が増殖し、おならが臭くなる・便秘になる等の影響が出ることがあります。食物繊維(野菜など)をしっかり摂ることが重要です。

よくある質問

Q: 飲めば飲むほど筋肉はつきますか? A: いいえ。1回の摂取で筋肉の合成に使われるタンパク質量には上限(マッスルフルエフェクト)があり、約20〜40gです。それ以上はエネルギーとして使われるか、脂肪として蓄積されます。こまめに摂取することが重要です。

Q: プロテインを飲むと太りますか? A: プロテイン自体に太る特別な成分はありません。太る原因は「1日の総摂取カロリー > 消費カロリー」になっているためです。食事のカロリーと合わせて計算してください。

Q: WPCとWPIのどちらを選ぶべきですか? A: 牛乳を飲んでお腹がゴロゴロしない(乳糖不耐症でない)、かつコストを抑えたい場合はWPC(コンセントレート)。お腹が緩くなる、あるいは徹底的に脂質・糖質を削りたい減量末期の場合はWPIを選びましょう。

参考文献

  1. Morton, R. W., et al. (2018). “A systematic review, meta-analysis and meta-regression of the effect of protein supplementation on resistance training-induced gains in muscle mass and strength in healthy adults.” British Journal of Sports Medicine. DOI: 10.1136/bjsports-2017-097608
  2. Hector, A. J., & Phillips, S. M. (2018). “Protein Recommendations for Weight Loss in Elite Athletes: A Focus on Body Composition and Performance.” International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism. DOI: 10.1123/ijsnem.2017-0273
  3. Antonio, J., et al. (2016). “A High Protein Diet Has No Harmful Effects: A One-Year Crossover Study in Resistance-Trained Males.” Journal of Nutrition and Metabolism. DOI: 10.1155/2016/9104792
  4. Schoenfeld, B. J., et al. (2013). “The effect of protein timing on muscle strength and hypertrophy: a meta-analysis.” Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1186/1550-2783-10-53