アミノ酸・タンパク質 A 強いエビデンス

クレアチン

Creatine Monohydrate

最終更新: 参考文献: 15件

📋 クイックサマリー

ひとことで
プロテインと並ぶ最強のサプリ。最大筋力とパワーを底上げする。
おすすめ度
推奨用量
1日 3〜5g(維持期)
タイミング
食後またはトレーニング後(糖質と一緒に摂ると吸収が良い)
主な効果
最大筋力(1RM)の向上 トレーニングボリュームの増加 筋肉のパンプ感アップ
注意点
  • 水分を多めに摂取すること
  • 体重増加(水分引き込み分1-2kg)が起きるため階級制競技者は注意

📊 エビデンスマトリクス

科学的根拠の強さと効果の大きさをまとめた表です。評価基準について詳しく見る

高強度運動のパフォーマンス向上

A 強いエビデンス
効果量
研究数 300件
短時間・高強度の反復運動(ウエイトトレーニングや短距離走など)における最大筋力とパワー出力を5〜15%向上させる。

筋肥大・除脂肪体重の増加

A 強いエビデンス
効果量
研究数 200件
パフォーマンス向上に伴うトレーニングボリュームの増加、および筋細胞内の水分引き込みにより、プラセボ群より筋肥大を促進する。

認知機能の改善

B 中程度のエビデンス
効果量 小〜中
研究数 40件
睡眠不足時や高齢者の認知タスクにおいて、脳のエネルギー供給を助けパフォーマンスを改善する可能性。

概要

クレアチンは、スポーツサプリメントの中で最も広く研究され、効果と安全性が証明されている成分の一つです(エビデンスレベルA)。 体内でエネルギー通貨として使われる「ATP(アデノシン三リン酸)」の素早い再合成を助ける働きがあります。

肉や魚にも含まれていますが、サプリメントから得られる量を食事から摂取しようとすると、毎日1kg近くのステーキを食べる必要があり非現実的です。そのためサプリメントでの補給が強く推奨されます。

作用メカニズム

筋肉がウエイトを持ち上げるなど急激な力を発揮する際、ATPという物質が分解されてエネルギーが生み出されます。しかし、筋肉内のATPはたった数秒で枯渇してしまいます。 枯渇したATPを瞬時に元に戻す(再合成する)ために使われるのが、筋肉内に貯蔵されている「クレアチンリン酸」です。

サプリメントとしてクレアチンを摂取し、筋肉内のクレアチンリン酸の貯蔵レベルをMAXにしておくことで、**「本来なら8回で限界が来る重さが、9回、10回と挙がるようになる」**つまり高出力を持続できる時間が数秒伸びます。これがトレーニングボリュームの増加を生み、結果としてより強い筋肥大シグナルをもたらします。

エビデンスの詳細

パフォーマンス向上と筋肥大

国際スポーツ栄養学会(ISSN)は、クレアチンモノハイドレートを「現在市販されている中で、高強度運動能力と除脂肪体重を増加させるための最も効果的なエルゴジェニック(パフォーマンス向上)栄養補助食品」と結論付けています(Kreider et al., 2017)。 数十のメタアナリシスにより、ベンチプレスやスクワットの1RM(最大挙上重量)を有意に向上させることが実証されています。

種類による違い

「クレアチンHCL」「クレアチンエチルエステル」など、より高価な新しい形態のクレアチンが多数販売されていますが、研究により従来の安価な「クレアチンモノハイドレート」を上回る効果は証明されていません。モノハイドレートが最も研究され、最もコスパが良い選択です。

用量・タイミング

クレアチンは「飲むタイミングで即効性が出る」薬のようなものではなく、**「毎日飲んで筋肉内に蓄積させる」**ことで効果を発揮します。

飲み方の2つのアプローチ

  1. クレアチンローディング(早く効果を出したい場合):
    • 1日20g(5gを4回に分ける)を5〜7日間摂取する。
    • その後は「維持期」として1日3〜5gを毎日摂取する。
  2. ローディングなし(胃腸への負担を気にする場合):
    • 最初から1日3〜5gを毎日摂取する。
    • 約28日(約1ヶ月)で筋肉内のクレアチンレベルはローディングした時と同じMAX状態になります。(おすすめはこちらです
  • タイミング: インスリンというホルモンがクレアチンの筋肉への取り込みを助けるため、食後トレーニング後のプロテイン(糖質含む)と一緒に飲むのが最も吸収効率が良いとされています。

安全性・副作用

数多くの長期研究(最長5年に及ぶもの)により、健康な個人に対して安全であることが確認されています。

  • 体重増加: クレアチンは筋肉内に水分を引き込む性質があるため、摂取開始から数日で体重が1〜2kg増加することがよくあります(これは脂肪ではありません)。体重制限のある競技者は試合前の使用に注意が必要です。
  • 胃腸の不快感: 一度に大量(10g以上)を摂取すると、下痢や腹痛を起こすことがあります。5g以下に分け、十分な水(コップ1杯以上)で溶かして飲むことで防げます。
  • 腎臓への影響: もともと腎疾患がある方を除き、健康な人の腎機能を低下させるという科学的根拠はありません。

よくある質問

Q: クレアチンを飲むハゲる(抜け毛が増える)って本当ですか? A: 科学的根拠はありません。 その噂の出どころは2009年のラグビー選手を対象とした1件の小規模な研究(DHTという抜け毛に関わるホルモンが増加したという報告)ですが、その後の多くの追試において、クレアチンが直接的に薄毛を引き起こす証拠は見つかっていません。

Q: 休みの日は飲まなくていいですか? A: 休みの日も飲んでください。 クレアチンは筋肉内のタンクを満タンに「維持」することが重要なため、トレーニングオフの日でも1日3〜5gを摂取してください。

参考文献

  1. Kreider, R. B., et al. (2017). “International Society of Sports Nutrition position stand: safety and efficacy of creatine supplementation in exercise, sport, and medicine.” Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1186/s12970-017-0173-z
  2. Branch, J. D. (2003). “Effect of creatine supplementation on body composition and performance: a meta-analysis.” International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism.
  3. Antonio, J., et al. (2021). “Common questions and misconceptions about creatine supplementation: what does the scientific evidence really show?” Journal of the International Society of Sports Nutrition. DOI: 10.1186/s12970-021-00412-w