アミノ酸・タンパク質 C 限定的エビデンス

L-カルニチン

L-Carnitine

最終更新: 参考文献: 8件

📋 クイックサマリー

ひとことで
脂肪をエネルギーの焼却炉へ運ぶ「運び屋」。
おすすめ度
推奨用量
1日 2g〜3g
タイミング
運動前、または炭水化物と一緒に
主な効果
脂肪代謝のサポート 筋肉痛の軽減 持久力の向上(一部)
注意点
  • 飲めば勝手に痩せる魔法の薬ではない(カロリー制限と運動が前提)

📊 エビデンスマトリクス

科学的根拠の強さと効果の大きさをまとめた表です。評価基準について詳しく見る

脂肪燃焼の促進

C 限定的エビデンス
効果量
研究数 40件
高齢者や肥満者ではわずかな体重減少が確認されるが、若く健康な人(アスリート)での脂肪燃焼効果は一貫していない。

激しい運動からのリカバリー向上

B 中程度のエビデンス
効果量 小〜中
研究数 20件
筋肉への血流を改善し、酸化的ストレスを軽減することで、トレーニング後の筋肉痛(DOMS)を和らげる。

概要

L-カルニチンは、主に肉類(特に赤身肉)に多く含まれるアミノ酸の誘導体です。 細胞内にある「ミトコンドリア(エネルギーを作る焼却炉)」の中に、長鎖脂肪酸(分解された脂肪)を運び込む「運び屋(トランスポーター)」の役割を持っています。

このメカニズムから「カルニチンを摂れば脂肪がより多く燃えるはずだ」と考えられ、長年ダイエットサプリの王様として君臨してきました。

作用メカニズムとエビデンス

1. 脂肪燃焼効果の真実(効果:C)

理論上は素晴らしいのですが、実際のヒトを対象とした研究(RCT)では結果が分かれています。 高齢者や肥満の人が摂取した場合は、プラセボと比較して有意な体重・体脂肪の減少が見られる傾向があります(Pooyandjoo et al., 2016)。

しかし、若くて健康な人、あるいは日常的にトレーニングをしている人がカルニチンを追加で摂取しても、劇的に脂肪燃焼が加速されるという強いエビデンスはありません。 すでに体内のカルニチンレベルが足りている(若い、あるいはお肉をよく食べる)場合、追加のカルニチンが脂肪燃焼のボトルネックを解消することにはならないためだと考えられています。

2. リカバリーと血流改善(効果:B)

近年、脂肪燃焼よりも注目されているのが「筋肉からの回復(リカバリー)」効果です。 カルニチンには血管内皮細胞を保護し、血流を改善する作用があります。また、激しい運動によって生じる酸化ストレスを軽減し、トレーニング後の筋肉痛のレベルを有意に低下させることが示唆されています(Fielding et al., 2018)。

用量・タイミング

  • 推奨用量: 1日 2,000mg 〜 3,000mg (2g〜3g)
  • タイミング:
    • 運動前: 脂肪代謝をサポートする目的。
    • 炭水化物(糖質)と一緒に(食後など): カルニチンを筋肉の中に取り込ませるには、インスリンの分泌が必要です。そのため、プロテイン+マルトデキストリン等と一緒に飲むのが効率的です。

よくある質問

Q: 飲むだけで痩せますか? A: 絶対に痩せません。 カルニチンはあくまで「脂肪をミトコンドリアに運ぶ車」です。カロリー制限(アンダーカロリー)を作り、運動をして脂肪を「分解」して血中に流し出さなければ、運ぶ荷物がないので車は空振りします。

参考文献

  1. Pooyandjoo, M., et al. (2016). “The effect of (L-)carnitine on weight loss in adults: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.” Obesity Reviews. DOI: 10.1111/obr.12436
  2. Fielding, R., et al. (2018). “L-Carnitine Supplementation in Recovery after Exercise.” Nutrients. DOI: 10.3390/nu10030349